その女は、アダルトグッズの売場入口からローション片手におもむろに出て来た。
髪は金髪。
上半身は白いYシャツ、下半身は黒いスパッツという、かなり意味不明な服装をしていたのだが、その街は南関東有数の風俗街だと言えば、おおよその背景は想像がつくだろう。
彼女は所在なさげにしばらくうろうろした後、突然仕事中の自分に視線をロックオンし、話し掛けてきた。
「あっ、あのーお兄さん髪型カッコイイですね」
「ハァ…どうも」
「イヤーアタシよくここ利用してるんですけどね、うちの店から近くて便利だし、ローションとかオモチャとか充実してるし」
「それはそれは」
「でもね、こないだYシャツ一枚で下何にもはかないで歩いてたらケーサツ呼ばれちゃったんですよアハハ♪」
「……
」
久しぶりにジャンキーという人種に遭遇したようだ。
よく見ると、彼女の手首には何箇所もリストカットの跡を縫った形跡が…
ひとしきり喋りまくった後、彼女は
「じゃ、お兄さんお仕事頑張ってねー。あと、アッチのほうも頑張ってねぇなんかイイモン持ってそうだから」
と言って、去り際に自分の股間をわしづかみにして行った!
嗚呼!貞操危機一発!(笑)
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